2011年11月13日

狂気

彼女が隠し持つ
狂気、を
垣間見た私が感じたのは
恐怖、というよりは
快感であった。

2011年9月18日

猫の小路

猫の小路を
子猫が飛び出さないようにと祈りながら
自転車で通り抜けた。
待っていてくれた彼の前で
私の歯が、ひとつ残らず乾いた葉っぱのように砕けた。
それを受け入れながら、彼を見つめ、奇声をあげる私を
彼は茫然と見つめていた。
その眼はとても
優しかった。

2011年9月12日

死んだ子猫

「死んだ子猫みたい。」

だなんて、素敵すぎる。
記録しておく。

2011年8月28日

嫉妬

輝く才能、美貌、器量、自信。
ああもう、嫉妬する。

2011年7月16日

左手

わかってほしいだなんて、いつの間に
そんな傲慢なことを考えるようになったんだろう。

今はただ、
歴史をつくっている最中である。

2011年5月3日

何でもつかみとれそうで自慢だった大きな手は、
何もできなくて情けない自分の顔を覆う、ただの道具でしかないことに気づく。

2011年4月28日

小さな木の箱

小さな木の箱をあけたら、何が出てくると思う?
ぬれた蝶と、乾いた大きな蛾。