2010年12月26日

大和川の花

大和川に咲く草花を摘み、つつましく生きている私になんという仕打ちでしょう。
腹をくくって乗り越えた自分を、いたわってあげたい。

2010年12月23日

バナナの悪い夢

パトカー。
手紙。
バナナの悪い夢。

2010年12月20日

新しい街

新しい街は、灰色です。

夢のあと

彼は私に煙草を渡してくれました。
煙草なんて吸えないけれど、思いきり深く吸い込み、
煙を長く吐き出しました。
すると周りの人たちが、拍手をしてくれまし た。

豪華な自家用霊柩車でさっそうと去る彼に、
私は走り寄り、ぎゅっと手をにぎりました。
彼は姿が見えなくなるまで、大きく手を振ってくれました。
私も、大き く大きく手を振りました。

弔い

生きているという贅沢。
死ぬという現実。
25年の生涯。

あなたのご両親は、
慣れないネクタイなんかを締めたあなたの
写真を見るよりもあなたそのもので、
なんだか、苦しかったです。

どうか、どうか、安らかに。

左手

左手は、不器用で、力持ちで、神経質。

麻痺させる。
手を洗う。
髪の毛を焦がす。
冷たい風がほしい。
病気みたいな朝。

匂い。
木枯らし。
代わりの煙。
外に出る日と、そうでない日。
夜は長くて、トゲトゲして痛い。

「もう何も要りません。」

スケッチ

大好きな人たちに、こんなに大事にしてもらっているのに、
どうして私はこんななんだろうか。
折り合いがつかなくて、どうしようもなくて、頭をぶつけてみた。

真空

アタマとカラダのなかが、真空になったみたいな感じ。

「全部ウソでした。」という、美しい結末。

透明

こめかみから、顔の皮を剥がされる夢を見た。
新しい透明な皮膚に、うっとり。
そのあと小さなペンチで瞼をパチンとはさまれた。

外に出られない病

お気に入りの靴を履いても、外には出られなかった。
いったいどうやったら、世間を堂々と歩けるのでしょう。

無欲な人には良いめぐり合わせがあるようです。
見習わないといけない。
・・・なんて考えている時点でもう無欲ではない。

吐き出した絵に、意味なんてありません。
搾り出した言葉は全部、上のほうしかかすってくれない。

健全な薬は、どうやら赤が好きです。

見慣れた景色が、まるで別世界のようになっていて、
私を大事にしてくれた人たちも、別人のようになっていて。
どうしようもなくて、泣きたくなった。
あのころに戻って、みんなに会いたい。

絵を描いた。
ひとつひとつ丁寧に縫い合わせたのに、痛かった。
よかった。

I said “No,”

ずっと家にいたい。
誰にも会いたくない。
電話も出たくない。
仕事に行きたくない。
何も見たくないし、聞きたくない。

・・・。

共鳴する


空気が冷たい。
夜は大きくて暗い。
誰かと話をしたい。

上手なバッド・エンドを迎えるためにこしらえた、
黒いトンネル。

レースのついたハンカチーフ。

お人形

おでこを力いっぱいアスファルトに叩きつけたら、頭が割れた。
気分が悪い。

七色眼鏡

新しい眼鏡をかけると、
細かいものも、遠くの景色も、見えるようになりました。

果たしてそれは幸せなのか。

負け犬は大きな声で吠える

愛のない罵声や怒鳴り声を聞くと、
まるでその人が私に裸を見せつけているかのように、
ひんやりと恥ずかしくなるのです。
弱い犬ほど大きな声で吠える。

ゲーム

にわかに青白くなってしまったあのひとが、
とてもいとおしくなりました。
隣りでささやく女のひとは、
ほそい肩にかげをまとっていて、おそろしく美しい。

「しあわせの玉をあげるから、私にも何か頂戴。」
今宵も高尚なゲームを。
もう全部、罠だ。

太宰

ハッピーエンドでもバッドエンドでもなく、
さわやかに終わりを告げる恋。
欲望も焦燥も、あまりにさわやかなそれの前では、
消えてなくなるものかしら。

サイレンが鳴る。
膝を立てて、仲良しの林檎を眺める。

赤と緑を練って、
煙がトゲトゲの感覚をくすぐって、
雨が降って、
ひどい熱が出て、
あぁもう、
どうしようもなく、
仕方がない。

不幸ごっこ

かわいそうな子犬を家につれて帰ったり、
実は愛されているそれに強く嫉妬したり、
声を殺して泣きたくなったり、
不幸そうな顔をして、
毒にやられたのはいったい誰??

蜘蛛

ずるさと汚さと俗っぽさを隠すために、
時間をかけてこしらえた、強くて美しい鎧をつけました。
初めて触るきらきらの羽はとてもきれいで、まぶしくて、
私は目を開けていられずに、
背中をむけて糸を吐き出すしかありませんでした。

どうか私の手がそれを、
よごしてしまいませんように。
こわしてしまいませんように。

蜘蛛の巣にひっかかった小さな蝶が、
きれいで、かわいそうで、仕方がない。

象の諏訪子

いったい何を期待しているんだろう。 象の諏訪子が亡くなりました。このことを一番に伝えたい人がいるけれど、もうどうにもならないのでここに書き留めておきます。「諏訪子、安らかに。」

アンバランスなバランス

枝を切られました。
未完成が山積みで、興奮する。

Call me , baby. today afternoon ,
どんよりしてるのは空、 じゃない!

嘘という鳥

が、います。
嘘ではありません。
本当という鳥はいません。
本当です。

何日もおうちで一人でいると、
なんだかとてもいとおしくなる時間があります。
何もかも欲しくなる。
言い訳をしながらガマンします。
「全部なんて手に入らないし、手に負えない」

あぁ、 彼女が言葉を発すれば、
私はどうしてもきゅんとなるのです。
思いがけず、くすぐられる。
幸せは麻痺する。

無計画な旅

揺れては終わり。
と言い聞かせながら
なんだか不完全燃焼のまま、
ぼんやり彼らのことを想いました。

変わることの潔さ。
変わらないことの強さ。

窓の外の空は多分、青かった。

うしろ向きは前向き

展示会が決まったからか、久しぶりに嫌悪感で吐きそうです。
余計なことを思い出してしまった。。
連鎖して止まりません。

土足で私の中を荒らしていった人たち。
どうして気づかないの。
中に入るならせめて靴を脱いで。
靴を脱げないなら中に入らないで。
何をどれだけ知っているというの。
ああ でも悪いのは鍵を開けてしまった私。
だから言ったのに。。

すれ違う人みんなに「死ね」と言って歩いていたころを思い出しました。
あのころよりは少し大人になったはずだったのにな。

あなたにとってのうしろ向きは、私にとっては大いに前向きだ。
ああ 吐いて眠ろう。

さそりの毒

見えないものはやっぱり見えない
毒がまわっている
アデュー

umbrella

赤い傘は私の。
黒い傘はあなたの。
いつか届きますように。

抱擁

いろんなものが去っていきました。
何かに寄りかからないと立っていられないなんて。

一人で飲んでもおいしくないお酒。
あいかわらず あんまり吸えない煙草。
エゴン・シーレはとても情熱的。

彼女はきっと

体の中心をシクシクと刺激する、
おかしな薬を持っている。

大切なものを少しだけ持って行こうとしたけど
「大丈夫よ」と言いながらやり過ごす。

知らないふりはもうやめて
ひとつひとつ丁寧に生きようと思います。

死んだ眼に泥酔

赤く赤く
絵を描いて
切って
裂いて
縫いあわせる
その死んだ眼が大好き

「探さないでください」の手紙

饒舌と無口

饒舌と無口を行ったり来たり
彼はいそいでケーキを食べました
たいせつにすること、されること

a sheep

もう長い間銀色の匂いがしないこと
黄色も 1 も 7 も見えなくなってること
が気にならなくなったり
でもまだきついピンク色だったり

汚したりきれいにしたり
こわしたりもとに戻らなかったり
だって彼女は羊をつれているんだって

素敵なうたが流れて泣きそう
思ったとおりの
痛くて
いい色

二つのお皿

壁ぎわにうずくまる女の子がいて
彼女は二つのお皿を前にしていて
私はどうにかその空気を感じてあげようと
ぼんやりみつめていました

夢の続き

夢の続きは思っていたよりあっさりとしていて
銀色のにおいも「1」と「7」も 見えなかった。

毒リンゴ

おばあさんがくれた毒リンゴを 私はおいしく食べました。

足りないもの

足りないものは、これで埋まるでしょうか。

黄色で「1」と「7」

耐えてきた沈黙は、思わぬ幸福を導いた。
あの特別な時間が、黄色で「1」と「7」だったことを思い出した。

ひとり

大事なものを少しだけかかえて彼女はひとりでいることを望んだ。
壁は赤くて黒かった。

むなしい

意味の無い批評に、視界が揺れる。

道がある

置いて行かれそうになった  
私の前に、道がある
こんな恐ろしいことって

やわらかい手のひら

汚いものには触らない。
不安なコトバなら最初から聞かない。
無菌室の中で
やわらかい手のひらだけを求めたからか
私は
キレイなまんまるにならなかった。 

いらない

そんなものは最初からいらない。

無菌室

汚れたくないということが
そんなにアサハカなことでしょうか。

どうしてそんなにも
私の手を引こうとするのでしょうか。

赤ムラサキの夜に

こんなににごった赤ムラサキの夜を
望んでいたわけではないのです。

すべて自分がひきおこした事実で
それでも誰かのせいにした。

『逃げることの目的は
生きること
ただそれだけ』

痛い

痛い痛い。
まだ痛かった。  

「共感する」

話せば話すほど、描けば描くほど足りない。  
共感できる人と出逢えて、  
捨てたもんじゃないなと思ってみたり、  
また落とし穴が来るぞと冷めてみたり。

コーヒー

コーヒーを入れながら、
電気のヒモと運命的な出会い。
明かりをつければなおいっそう。

原型をとどめないほど、
赤と黄。
赤と緑。
こんなにも気持ちいい。

吐き出す。 

ぎこちないニワトリ

黒い斑点模様のニワトリが現れた。
安心して眠る。

所有する

「これはあたしの。」
「あれもあたしの。」   

足あと

透明か不透明か、そんなことも見抜けないのです。
自分の足あとを消しながら歩かなきゃいけない。

立って、息をして
それに 気づかれないようにと
中途半端な顔をしている   

土足

一歩でも中に入ってくるなら、せめて靴を脱いでください。
あたしは靴を脱げないから、絶対に中には入らない。

立ち止まる

一日も、考えなかった日はない。
前へ進めない。
後ろへ走ることもできない。     

余計なものをそぎ落としていったら、 いったい何が残るんだろう。   

透明

経験をかさねるごとに、
回数をかさねるごとに、
余計なことを知るごとに、
どんどんにごっていってない?   

2010年12月19日

ウォークマン

鳴らないウォークマンを聴きながら帰る。
聞こえないふり。
知らないふり。
関係ないふり。

プリズム

透明のかたまり。

絵を描くこと

何のために絵を描くのか。
何のために表現するのか。
何のために発表するのか。
何のために伝えるのか。

何のために絵を描くのか。   

ヒナ祭り

オトナになれないヒナたちのお祭り。
ピヨピヨ言ってていい時間は限られているのです。 

ツバを吐く

言葉にできないから、ツバを吐くのだ。
うまく吐けるまで、何回も。
今日も口の中がカラカラ。 

黒い土にまかれた種から、黒い花が咲いて、 
黒い花に育てられた実は、やっぱり黒くなった。  
そして土に埋められるのだ。

イチゴ狩り

イチゴのようなものを狩る。