りんごのイチゴ狩り / ひとりごと
2012年11月20日
それでも
彼らはちゃんと大切な人に、抱きしめてもらっているだろうか。
彼らはちゃんと大切な人を、抱きしめてあげているだろうか。
みんないろんなものを抱えて生きていて、愛されたいと願っている。
2012年10月30日
隠れ家
いつもの隠れ家に行くと、彼らは私を歓迎してくれた。
黙ったままの彼女の空気はたしかに右側にあって、
そのわかりにくい愛情表現をおだやかに感じながら、
このままこんな時間ができるだけ長く続けばいいと思った。
いとおしい。
2012年8月8日
黒い空と海
みじめなこの感覚。
2012年6月19日
憧
あなたは強く美しく、
私はいつも、近くで眺めているのが精一杯で、
しばらくすると、溶けて無くなる。
2012年4月22日
愛すべきロクデナシ
ろくでもないから、前を向いて生きていこう。
2012年4月16日
傷
彼の右腕。
彼女の不器用な左腕。
彼らに幸福な運命を。
2012年3月25日
二月の永遠
雨と風が、強く音を立てている。
本当のことはわからない。
本当のことなんて、知りたくない。
ざわつく。
二月の永遠を描いている。
2012年3月18日
合言葉
合言葉のように繰り返し投げあうコトバが、
哀しくて、美しくて、泣いた。
思い出して、また泣いた。
2012年3月3日
劣等
「全部あなたが悪いのです」
と、顔に大きなバッテンを書かれ、解放された。
そして望んでもいない孤独が手に入りました。
2012年2月28日
不毛な雨
人間のふりをした、美しい蜘蛛である。
不毛な雨を降らせる力がある。
2012年2月20日
蟲
試行錯誤の末にまとった美しい鎧だけれど、
中身は実に小さく、弱い弱い、蟲である。
2012年2月5日
終焉を迎える
次のステージが始まったことに気づかずに、
相変わらず、壊れた音が鳴る。
混乱する。
震えて泣く。
死んだ子猫が愛しい。
2012年1月16日
漆黒に願うこと
目を閉じて
手で顔を覆って
しばらくして訪れる漆黒に
ほっとする
次に強く願うのは
「目を開けたら
さっきと同じ景色がありますように」
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