隠れ家

いつもの隠れ家に行くと、彼らは私を歓迎してくれた。
黙ったままの彼女の空気はたしかに右側にあって、
そのわかりにくい愛情表現をおだやかに感じながら、
このままこんな時間ができるだけ長く続けばいいと思った。

いとおしい。

黒い空と海

みじめなこの感覚。

憧

あなたは強く美しく、
私はいつも、近くで眺めているのが精一杯で、
しばらくすると、溶けて無くなる。

愛すべきロクデナシ

ろくでもないから、前を向いて生きていこう。

傷

彼の右腕。
彼女の不器用な左腕。

彼らに幸福な運命を。

二月の永遠

雨と風が、強く音を立てている。
本当のことはわからない。
本当のことなんて、知りたくない。

ざわつく。

二月の永遠を描いている。

合言葉

合言葉のように繰り返し投げあうコトバが、
哀しくて、美しくて、泣いた。

思い出して、また泣いた。